茶道クラスへお越し頂く前に、お伝えしたいことがあります。
お茶の美しさは、全ての調和(バランス)が調ったところにあるとも言われます。
言葉少なく、無駄を極限まで省いてありのままの個人がそこに存在する。
研ぎ澄まされたご自身の内側を感じることで、雑念が消える感覚を知り、全てがリセットされ、かけがえのない“純粋(あるがままの自分)にもどれる時間”を楽しんで頂きたいと思っております。
どうぞ、できましたら少しお時間に余裕をもってお越し下さい。
1階のエントランスより、素晴らしい美の感性をお持ちの庭師が手がけた四季の花や木々達の緑の世界を目で楽しみ、水景や水音に耳を澄ませながら、ゆっくりとお入り下さい。クラスの扉の前までを現代の露地と見立てて頂き、おひとり静かにお入り頂けましたらとても嬉しく思います。
作法を知る人も知らない人も、ともに茶を飲み和するのが、本来の茶の湯の姿とも言われます。何々をしなければならないという決め事よりも、ご一緒するお相手の心にいかに寄り添い心響かせ合えるかを一番大切にしたいと思います。
心が温まります。
謙虚になれる時間は、癒しをもたらしてくれるものです。忙しい毎日だからこそ、非日常の茶の湯に触れてみる。
所作のうつくしさ、流れの優しさに浸るひとときです。戦国武士が、戦乱の世の殺伐とした気分をほんのひとときだけでも逃れて、静寂を求めたいと思ったように、現代にあっても、清浄と調和し、簡素の中に安らぎを感じ、外界のわずらわしさから少しだけ逃れる聖域に身を置くことで、 ゆっくりとご自分自身へともどって頂けましたらと、思っております。